M1前期中に読んだ本

都市空間系

集住のなわばり学

集住のなわばり学

 

小林先生の講義を聞いて読んだ本.シェアハウスのことを論文にしたいと思っていた自分にとっては目から鱗ができる本だった.人々が無意識のうちにあるなわばり意識や空間認知ついての調査方法について非常に参考になる本.特に団地の顔見知り調査,植木によるあふれ出し,動物学を引用したなわばりについては面白かった.

絶版なのが残念.小林先生に借りた. 

 「集住のなわばり学」を読んで,小林先生の恩師にあたる鈴木先生の本を読んでみた.意外と上と内容が重なる部分も多かった.空間の心象地図についてはこの本の頃から触れられている.

コミュニティとプライバシイ (SD選書 11)

コミュニティとプライバシイ (SD選書 11)

 

 イラスト付きで内容は抽象的な部分も多い.アートを考える際には参考になるかも?

ひとり空間の都市論 (ちくま新書)

ひとり空間の都市論 (ちくま新書)

 

「 ひとりでいられることは都市にとって正常なことである」と述べた見解は新しい.観点は面白いが,都市空間を論じる時の分類(なぜカラオケなのか?)や見解が考察不足でやや主観的.小林先生の本には及ばない.コラムとしては良い.

 

 社会政治系

社会のなかのコモンズ:公共性を超えて

社会のなかのコモンズ:公共性を超えて

 

「公共政治論」の前半で扱った本.コモンズという概念についてはこの本で初めて知った.内容はあまり覚えていない... 

 

イデオロギーと日本政治―世代で異なる「保守」と「革新」

イデオロギーと日本政治―世代で異なる「保守」と「革新」

 

 「公共政治論」の後半で扱った本.保守と革新の意識調査,若者は保守派なのか?ざっくりいうと,若者は他に選ぶ政党が無いから消去法で安倍政権(保守)という意識らしいというのが全体を通した感想.

 

借りた本.女性ならではの視点でDKは...的な感じだったような... 

 

言語人類学

 

相互行為の人類学?「心」と「文化」が出会う場所

相互行為の人類学?「心」と「文化」が出会う場所

 

 言語人類学で読み進めた本.この分野で最初に読んだ本.筆者が実際に行ってる調査が元になっている.グイ・ガナ,チンパンジーとヒト...

初めてレジュメも作ったので,どうやって中身を切り取ろうか苦労した思い出が.会話分析というのを初めて知った本でもある.

 

その他

〈ハイブリッドな親子〉の社会学: 血縁・家族へのこだわりを解きほぐす

〈ハイブリッドな親子〉の社会学: 血縁・家族へのこだわりを解きほぐす

 

「国際社会福祉論」日本における血縁について,法律の変遷から社会に対する養子の考え方の変遷が書かれていた.特別養子制度なども. 

「混血」と「日本人」 ―ハーフ・ダブル・ミックスの社会史―

「混血」と「日本人」 ―ハーフ・ダブル・ミックスの社会史―

 

 当事者研究,博論が本になったもの.混血児→ハーフへの変遷や,メディアでの扱われ方なども当事者のインタビューも含め,ハーフと言われる人がどのような社会で育ってきたのか,自分自身をどのようにアイデンティティ化したのかが書かれている.

2ヶ月も経つとこんなにも覚えていないものか...汗

海外で研究者になる-就活と仕事事情 (中公新書)

海外で研究者になる-就活と仕事事情 (中公新書)

 

 複数の研究者へのインタビューから,海外で研究者になった経緯について書かれている.この本を読んで,海外で研究者として生きるという選択肢もアリではないかと思った.先ずは研究留学か

 

ウイルスの意味論――生命の定義を超えた存在

ウイルスの意味論――生命の定義を超えた存在

 

 小野先生の授業で紹介された本をアマゾンで検索して,見つかった別の本.ウイルスというのは他の〇〇とは違うんだよ的な..興味が持てず途中で断念.

 

国家がよみがえるとき 持たざる国であるフィンランドが何度も再生できた理由

国家がよみがえるとき 持たざる国であるフィンランドが何度も再生できた理由

 

 フィンランドを社会科学的に触れた本.スタートアップも生み出す環境,ストレスフルでアドレナリン上昇の都市生活は果たして良いのか.いつかは動けなくなる.と述べた研究者がいた.

 

知的戦闘力を高める 独学の技法

知的戦闘力を高める 独学の技法

 

 これを読んで知的戦闘力が高まったかは分からない笑

ただ覚えているのは,アウトプットだけじゃなく必ずインプットする期間が必要だと.つまり本を読もう.

あと読んだ本を全て覚える必要はなくて,色々ぼんやり覚えたものが頭の中で混ざって新しい知が生まれるとも書いてあった.

 

 日本人は電車で対面の位置に座った人と会話を始める能力が低いらしい.アメリカやオーストラリアはエレベーターで一緒になったら会話をしなくてはならない?らしく,それは異文化が混在していく中でいかに自分が安全な人間であるかを証明することから始まったとかなんとか.

あと医者に必要なのは,患者の言葉の裏に潜む心理を読み解くことらしい.

 

 誰もやっていない研究をやり続けるのは精神力のいること.ノーベル賞の裏には想像もつかない継続力があるようだ.

 

西千葉の古本屋で買った.ジェーンスーの語り口が爽快. 

 

小説

 

木洩れ日に泳ぐ魚 (文春文庫)

木洩れ日に泳ぐ魚 (文春文庫)

 

場は変わらないのに,登場人物の回想によってストーリーは変化している.

変化する心理状態が緻密に描かれていて,電車の中で思わず一気読みしてしまった. 

 

 ブックオフでなんとなく買った本.最初はそんなに面白いとは思わなかったが,後半の登場人物が歳を重ねていったときのシーン1つ1つがリアルで,情景が思わず浮かぶほどの描写であった.